背中を押す

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 1982年に大学を卒業して新卒で入ったのは地元山梨県の地方銀行でした。充実した銀行員生活を送る中、入行3年目に財務を勉強するために税理士の通信講座の受講を始めました。

 その頃、甲府市近郊のお寺に占いが当たると有名な住職がいるということで、知人に誘われるまま会いに行きました。その住職は日航機羽田沖墜落事故の際、祈祷に招かれた方で、その世界においては権威のある方でした。

 私に対する事前情報はまったくない住職は私を見て言いました。

住職:「あなた、堅い仕事をされていますね」

大石:「はい、銀行員です」(どうして分るのだろう・・・・・・)

住職:「いま、仕事が楽しいでしょう」

大石:「はい、毎日がとても充実しています」

住職:「でもね、あなたが35歳になるころ、きっと朝起きたら銀行に行くのが辛くてたまらない時がきます」

大石:「銀行にいたら良くないということですか? だとしたら私にはどんな職業が向いているのでしょうか?」

住職:「あなたに合っている職業は、一級建築士か税理士しかありません」

大石:「ほんとですか。実は私、最近税理士の勉強を始めたところです。私は、税理士試験に受かることができるのでしょうか?」

住職:「試験に受かるかどうかは私には分りません。それはあなたの努力次第です。ただし、税理士になったらあなたはきっと上手くいきます」

後になって思えば、私が35歳のころの銀行は、バブル崩壊後のとても厳しい時代でした。私が在職中の銀行員は、女性が結婚したい職業ランキングで常に上位にランクインしていたのですから時代は変わりました。

 この占いを全面的に信じたわけではありませんが、私は住職の言葉を時々思い出し勇気をいただいたのは事実です。

 私には占いは出来ませんが、苦しい時にも背中を押してあげられる、そんな税理士でありたいものです。