足りない自分

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 経営者の方の中には、自分と同じ能力や人格を持った社員が2~3人いたら組織は大きく飛躍するのだけどなぁ、なんて考える人はいませんか。

 私はその逆です。私の能力は人並み、小心者で、意地悪で、腹黒くて、ケチで、些細なことまで気になる面倒くさい男です。 

 そんな徳の足りない自分を格好悪い奴だと自覚することがあります。他人からそれを見透かされないように演じている、そんな気分になることがあります。でも演じ切れずに時々化けの皮が剥がれてしまいます。

 私は、私と同じものを見て同じように反応する人がいたら、人間が小さい、すぐにビビる、ズルい、セコい・・・きっと嫌な気分になると思います。

 とにかく、私は自分と同じタイプの人ばかりでは世の中は機能しないと思っています。だから、社内にもいろんな人がいてくれることが有り難いのです。

 自分の理想の人物を演じることは大切です。演じて、演じて、演じ続ける。やがて誰からも演じていると疑われないようになったら、演じている自分が理想としているホンモノの自分になったのだと思います。

 心は簡単に変えられませんが、型ならなんとか変えられそうです。型から入って(演じて)やがては心に至る、華道、茶道、武道、みんな同じです。

『人の己を知らぬを患(うれ)えず、人を知らざるを患うるなり』(論語学而第一)
・・・他人が自分のことを認めてくれないことを気にするのではなく、自分が他人を正しく理解していないことを心配するべきだ。