24時間の人生


 私はよく、人生80年を24時間に例えます。さしずめ今年60歳で還暦となる私は、18時の日暮れ時といったところです。

 10歳 : 3時
 20歳 : 6時
 30歳 : 9時
 40歳 : 12時
 50歳 : 15時
 60歳 : 18時
 70歳 : 21時
 80歳 : 24時

 若い人は羨ましいものです。私は30歳の頃、人生が永遠に続くかの如くたっぷり時間を持っていると疑いもしませんでした。たしかに、30歳は午前9時の始業時刻ですから、そのように思うのも無理もありません。

 孔子は、「四十にして惑わず」と言いました。我々凡人は孔子のような深さに到達することは出来ません。しかし、凡人なりにも心の歩みを怠らなかったら、40歳は人としての道もおぼろげながらも見えてくる年代です。

 何歳になっても頑張るのがいいのですが、40歳、50歳の人は、まだまだ先に人生のピークがあるとのんびり考えている場合ではありません。もう間もなく人生のピーク、もしかしたら既にピークを過ぎているのかもしれないのです。

 なのに、たいした成果も残していない40歳男がのんびり構えているのを見ると、少しは焦ってはいかがかと思ってしまいます。

 孔子は、「四十、五十にして聞くこと無くんば、それまた畏(おそ)るるに足らざるのみ」と、40~50歳になっても名が聞こえてこないようではダメだねとも言いました。

 その人を称して、「彼(女)は悪い人ではないのですがね」なんて言われているようでは話にもなりません。これは取り柄のない人への最悪のほめ言葉ですから。

 いま60歳を前にした私は、これから自身の人生のピークを迎えるとは考えられません。既に峠を超えたと考えるのが普通です。

 人生を春夏秋冬に例えたら、60歳は秋が深まり冬支度のころです。植物でしたら春になると芽吹くのですが、残念なことに人間の冬には永遠に春が来ることはありません。

 いつも全力で生きることは難しいにしても、振り返ったときに悔いのない人生にしたいものです。