結論から言え

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「報告があるのですが」と言って私の部屋へ入ってくる社員。嫌な予感がする瞬間です。神妙な顔つきでトクトクと何やら話すのだが、何を言おうとしているのか分からない。

 せっかちな私はついつい「結論から先に言ってくれる」、「いい話なの、それとも悪い話?」と先を急がせてしまう。部下の話をじっくり聞くのが良い上司の条件だとしたら、私は完全にダメな上司です。

 良い話なのか悪い話なのか見当すらつかない話に付き合えるほど、私は辛抱強くなれません。そんな話を延々と聞いていたのでは血圧が上がってしまいます。 

 経営者は圧倒的にせっかちな人が多いものです。のんびりした人柄でありながら成功している経営者には、出会った記憶がありません。他人の意見にも耳は傾けるのですが、結論を先に求めてしまうのが普通の経営者です。 

 プライベートでの良い話でしたら、プロローグはどんなに長くても構いません。じらされた分だけ喜びも増してしまうのかもしれません。しかし、ビジネスにおける報告やプレゼンの場合は違います。前振りが長いと増すのはストレスばかりです。 

 先ず大見出しで結論を述べてしまう。そして相手の反応を見ながら詳細を説明する。つまりビジネス上では、新聞形式で伝達するのが正解なのです。

 もちろん、ショックを与えるためにする会話や、聞く人の注意を引くために結論をわざわざ後回しにすることもあります。しかし、それは例外なのです。結論を先に言って、聞いている人の思考回路を一定の方向に向かせることで、自分の考えを正確に相手に伝えることが出来るのです。