理想に向けて

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 中小企業の場合、社長の価値観、人生観、哲学……これらに合わない人たちが集まると組織の一体感は薄れます。価値観の話なので、良い悪いの話ではなく合うとか合わないとかの世界です。

 社長が方向性やあり方についてハッキリ意思表示をしないと、社内では大きな価値観の衝突はありません。しかし、衝突がないことはベクトルが合っているということとは違います。

 私にも経験がありますが、社長がハッキリ方向性を示すと、それについてこられない社員も出てきます。しかし残った社員はベクトルが合っていますから、より大きな力を発揮することになります。

 似たような価値観をもった人たちの集団ですから、少し宗教っぽい状態なのかもしれません。

 私は開業してから15年以上経ったてから、ひとつの方向性を文字にしました。明るく元気で中小企業の模範たる誇り高き大人の集団……楽しげでかつあり方がいいと言われるような会社を理想としたのです。

 すると方向性に合わないという社員が出はじめるのです。そもそも笑顔で明るく振舞うことが苦手だから資格を目指している、なんて人も多い業界です。

 社内では、それ以前からずっと同じことを言い続けていたのですが、あらためて文字にすると社員も逃げ場がなくなるのですね。

 口で言ったことは消えてなくなりますが、文字にすることは私自身も少し勇気が要ります。私も逃げてばかりはいられません。

 2004年にホームページを開設して以来、この『所長のコラム』で、毎週私の考え方を発信してきました。これも500回以上になりました。ネタ切れになりながらも自問自答しながら書き続けることが、事業にも人生にも大いにプラスになっていると実感しています。