いいものはひとつに

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 よくCS(顧客満足)とかES(社員満足)って言いますが、みなさまはどちらが大切だと考えますか。もしかしたら経営者と社員とでは意見が異なるかもしれませんね。

 CSについては多くの社長が語りますが、ESについて語る社長は案外少ないものです。いいところ1~2割ではないでしょうか。

 CSを語る社長でESも語る社長は少ないのですが、ESを語る社長はどなたもCSについても語ります。つまり、ESを語る社長のほうが一般的には経営者として成熟しているように思えます。

 しかし、CSとESとはそもそも比べるものでもありません。私は究極どちらも同じかなと思っています。

 満足度の高い顧客サービスは満たされていない社員には難しいことです。逆もまた然りで、社員満足は顧客満足なくしてあり得ません。結局のところ、どちらを追求しても究極はいい会社になるのです。山の登り方はいく通りもあるのですが、登りつめると同じところに着くというものです。

 経営理念についても、立派な経営理念を掲げている会社と、そう言っては何ですが少し稚拙な経営理念を掲げている会社とがあります。

 経営理念はそこに何が書かれているかはあまり大きな問題ではありません。大切なことは、そこに書かれていることを愚直にやり通しているかどうかなのです。どんなに立派なことが書かれていても、やっていなければ単なる絵文字にすぎません。

 しかし、やっていればそこに書かれていることはあまり問題になりません。経営理念ですからいいことが書かれているからです。

 アメリカの心理学者アブラハム・マズロー(欲求5段階説を唱えた人です)は、愛、誠実、正義、真実など究極においては同義であると言いました。「愛はあるが、誠実ではない」「誠実ではあるが、正義がない」「正義はあるが、真実さがない」なんてことはあり得ないのです。 

 ということは、経営理念には何が書かれてようとも、とことん追求することでどれも頂上にたどり着けるということなのです。

 弊社は、会社を「大人の学校」と位置づけ世間的には少し変わった活動をしています。上手くいかない場面、笑われた場面もありました。外部から宗教っぽいと言われたり、社内から批判の声も聞こえたこともあり、心が折れそうになった場面も幾度かありました。

 しかし何と言われてもやり通すことが大切と信じ、続けた結果、多くの出会いに繋がりましたし、出会う人の水準も違ってきまそた。共感し、認めてくれる人たちがいることで勇気付けられます。

 いい会社を作って、そのいい会社が伝播して日本が元気になることが理想ですが、そこまで大げさではないにしても地域社会が元気になってもらえたら嬉しいです。

 そうなった時にも何事もなかったように、毎日トイレ掃除をする私がいたら、カッコいいなと、今からイメージして楽しい気分になっています。