最高の死に様

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   “ビジョンを語れなくては社長が務まるか”と言う人がいますが、多くの中小企業の社長は会社の展望やありたい未来像を社員に伝えられていません。

   それは社長に明るい未来のイメージがないということもあると思いますが、何より社長自身がそれを考えること自体を避けているのではないでしょうか。

   社長が会社のなりたい未来像をどのようにイメージするのかはとても大切です。それが実現出来るかどうかは関係ありません。現在の状況とかけ離れているほど面白いと思います。

   そのありたい姿、なりたい未来像がビジョンです。未来像を言語化することが出来たとしたら、その段階で半分は達成したも同然です。

   思いっきり自由に理想を描いて欲しいのですが、多くの人にとって無責任に将来を語ることはなかなか出来ないようです。常識が邪魔をしてしまうのでしょうね。

   冷静に考えると、自分の年齢、資金的裏づけ、人材不足、経験やスキルなど出来ない理由ばかりが思い浮かびます。そんな出来ない理由は取っ払うのがいいのです。

   すべての条件が整って、あなたにとって理想の状態を手に出来るとしたら、どんな会社にしたいのか……そこから始めるのがいいのです。

   ここでイメージしたことはとても大切です。なぜなら、そこには本人の人生観、生き方、哲学が必ず表れるからです。どんなに立派なことを語ったとしても、本人の人生観や哲学に反することは長続きしません。

   ちなみにですが、中期経営計画はここでイメージした理想像を数値化、言語化することで出来上がります。

   未来のイメージの究極は理想の死に方です。何歳で、死因は、誰に看取られて、その時の家族の状況、個人の財産、社会的立場、会社の状況、社風、年商、社員数、業界におけるポジション……どのようになっているでしょうか。それを宣言するのです。

   これは少し重いワークになりますし、覚悟もいります。死に方の宣言は、これからどのように生きなければならないかの宣言でもあります。つまり最高の死に様の宣言は、最高の生き様の宣言そのものなのです。

   昨日と同じ今日、今日と同じ明日を繰り返していたのでは最高の死に様は迎えられません。ああ、今日も反省です。