採用難

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20160627

   このごろの経営者の一番の悩みは、採用したくても人材がいないことです。この売り手市場は、東日本大震災と東京オリンピック、さらにアベノミクスも相まって2020年まで続くと言われています。

   本当にそうでしょうか。日本の人口ピラミッドを見ますと、その予測は甘いと思わざるを得ません。どう考えても、これから先20年間は就業人口が毎年確実に減っていくことが分ります。

   現在42~43歳の人たちは1学年200万人いるのですが、昨年生まれた人は100万人です。20年後には200万人が引退して、就職する人は100万人ですから年間100万人規模の急激な就業人口減が起こるのですから怖ろしい話です。

   さらに首都圏の中小企業では、採用されても4人中3人が3年以内に離職するというデータがあります。

   中小企業は社長の個性が会社の社風に強く表れますから、大企業以上の割合で合わない人が出てきます。その上転勤もないのですから、社風に合わなかったらお気の毒と言うものです。

   つまり、中小企業は採用が厳しい上、どうにか採用してもすぐに辞められるのです。これでは二重苦です。

   この状況を優位に乗り越えるには、社員が誇りに思えるような魅力ある会社を作るしかありません。会社がどんなに儲かっても、社員にとって働きがいのある会社にしていかないと今後は厳しいことになるでしょう。

   これは、社員を優しく包み込むような緩い経営を目指そうというのではありません。優良企業ほど社員に求めるものは高いので仕事は厳しくて当たり前です。厳しさの中にもやり甲斐のある会社にしていきたいものです。

『財を残すは下、事業を残すは中、人を残すは上
されど財なくんば事業保ち難く、事業なくんば人育ち難し』……後藤新平