アリのコロニー(巣)を観察すると、いつも働いているアリがいる一方で、ほとんど働かないアリもいるらしい。
アリとキリギリスの童話から、アリには働き者のイメージが強いのですが、現実には7割のほどのアリはコロニーの中で働かず何もしていないのだそうです。
しかも働かないアリがいるコロニーの方が生存率は高いというのです。なぜ働かないアリがコロニーの中で存続し続けることが出来るのでしょうか。
働かないアリは働きアリが疲れてしまったり、危機が訪れたりした時に機能するらしいのです。つまり日頃は機能しない自衛隊や消防隊もしくは補欠要員のようなものかもしれません。働かないアリがいる方が平和なのですね。
因みに、働きアリばかり集めるとさぞかし素晴らしいコロニーが出来そうなものですが、必ずその中から新たに7割の働かないアリが出てくるのだそうです。
人間社会では2:8の法則(パレートの法則)が語られ、クレームやミスが多い落ちこぼれの人はお荷物とされます。しかし、もしかしたらその2割の落ちこぼれ社員に意味があるのかもしれません。
会社や学校で、落ちこぼれの2割を排除したとしても、必ずその後に新たな落ちこぼれが2割出てくるものです。新しい落ちこぼれは、それまで旧落ちこぼれの陰で目立たなかっただけなのです。
なので、2割の問題児を排除するのではなくて、2割のレベルを少しでも上げる努力をした方が全体のレベルが上がることになるはずです。組織にとっては、その2割の人にも存在する意義があるのです。
4番バッターだけでは野球はできないものです。アリから学ばせていただきました。