愛ある独裁者

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 毎日TVで流されるウクライナ情勢には例えようのない胸苦しさを覚えます。文明はこんなに進化しても、人類の良識には進化はないようです。戦争は殺し合いということを改めて認識させられます。

 それにしてもロシアのプーチン大統領は恐ろしい人です。たった一人の指導者がすべてを決めて誰にも止めることができません。世界にはそれに近い独裁者は他にたくさんいるようです。

 そして、独裁という意味では中小企業の経営にも似ている面があります。多くの中小企業は独裁的に運営されているのですから。

 あえて言葉を選ばずに言うなら、私は中小企業の社長は独裁者でいいと思っています。ただし普通にイメージされる独裁ではありません。理想は慈悲深さのある独裁者です。

 民主的な経営が優れているように思われがちですが、実際にはなかなか上手くいきません。上手くいった例を聞いたことがありません。

 小さなことは多数決で決めてもいいのです。しかし会社の意方向性や大きな投資案件等の重要事項については、周りの意見は参考にしつつ決断は社長一人でするのがいいのです。

 どうしてかって、決定に対して社員は責任をとれないからです。そもそも多くの社員は大きな変化など望んでいません。変化には犠牲が伴うので、変化が大きいほど社員の潜在意識が抵抗してしまうのです。多少の不満はあっても現状に留まりたいものなのです。

 大きな変化を望まない社員による民主的な経営からは革新的なことは起こりません。よって会社は平均的で面白味のないものになります。 

 プーチンに慈悲深さがあったら、世界はこんなことにはならなかったでしょう。政治に限らず自己中心の独裁ではいずれ悲惨な末路が待っています。私も気を付けなければいけません。