成長しない経営

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 この夏、日本各地が豪雨による災害に見舞われました。今年に限らず近年は毎年のように多くの風水害が起こります。

 地球温暖化が原因と言われますが、海外でも豪雨災害、熱波による干ばつや大規模森林火災が各地で起こっています。この先どうなってしまうのでしょうか。

 自然の猛威が本当に自然に引き起こされたものだとしたら従うしかありません。しかし経済活動が原因で引き起こされた人災だとしたら、英知を結集して対処するのが人類の責任です。

 成長を優先する経済にはいずれ限界が来ます。特に気になるのは人口が減少に向かっていることです。人類の未来を思えば、拡大経済ではなく穏やかな循環経済こそがこれからのテーマに思えます。

 100年企業が多いことで知られる日本ですが、100年企業の大多数は大企業ではなく中小企業なのです。つまり成長しなかったからこそ生きながらえたのが多くの100年企業です。大きくなり過ぎると環境への適応が困難になるのかもしれません。恐竜と同じですね。

 私にはイメージする理想の会社の状態があります。それは、拡大成長しなくても長く生き続けられる会社です。

 そのためには社員の年齢構成が各年代にバランスよく配置されていることです。年齢と共に昇給があり、意欲がある間は70歳まで働き続けられる。そんな会社が理想です。

 若い社員が入社して、高齢の社員が退職する、国策に反するかもしれませんが終身雇用が理想です。自然の循環(新陳代謝?)があることで社員数に大きな増減はありません。毎年昇給しても会社としての給与総額は変わりません。つまり成長しなくてもいいのです。そんな成長を求めない穏やかな経営が理想です。

 人口が減って市場は小さくなる中で、成長戦略だけではなく企業の継続を第一目標とする会社があってもいいのではないでしょうか。