論語とソロバン


 日本資本主義の父といわれる渋沢栄一が2021年1月放送開始のNHKの大河ドラマ『青天を衝(つ)け』の主人公に決まりました。

 大蔵省の役人からビジネスの世界に転身しようとした渋沢は、役人仲間から「賤しむべき金銭に目がくらんで、官職を去って商人になるとは呆れた男だ」と言われたそうです。

 それに対し渋沢は、「私は『論語』で一生を貫いてみせる。金銭を取り扱うことが、なぜ賤しいのだ。君のように金銭を賤しんでいては、国家は立ち行かない。官だけが尊いわけではない」と反論したといいます。

 結果、渋沢は生涯にみずほ銀行、日経新聞、サッポロビール、帝国ホテル、聖路加病院など約500の企業の育成に係わり、同時に約600の社会公共事業や民間外交に尽力しました。

 現代における役人も、民間人は賤しく汚らわしいことを平気でやって稼ぐ輩だと思っている節があります。確かに賤しい人もいないわけではないが、大半はマトモな人たちです。法スレスレのことをやって稼ごうという経営者は少ないものです。

 反対に、民間に転身した役人には、法の抜け穴を教えたり、狡いやり方を指導したり、そこが裏を知っている自分たちの強みだと思い込んでいる人がいます。それこそ賤しき人間へ成り下がった役人です。

 西洋の聖書に並べて評される東洋の論語です。そこには、「人はどう生きるべきか」の教えが書かれています。先の見えない今こそ、私たちに確かな指針を与えてくれるのが論語です。

 大石会計では、毎月第1月曜日18:30~20:00に論語の第一人者安岡定子先生をお招きして「くにたち論語塾」を開催しています。(参加費1,500円)