判断基準

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「やる、やらない」「採用、不採用」「継続、撤退」「叱る、叱らない」、経営者は毎日が判断の連続です。過去の経営判断の積み重ねが現時点の経営状況です。

 経営者の仕事は、答えのないものに答えを出し続けることです。誰が考えても同じ答えが出るものを経営判断とは言いません。

 その判断には、経営者の人生観が反映されます。どんな人も人生観に反するような選択はできないものです。

 稼ぐための判断基準が、他人に迷惑をかけなければいい、法律に違反しなければいい、というのでは困ってしまいます。

 それでは女子高生が、「下着を売ってなにが悪い」と言っているのも同然です。例えがよくありませんね。良識ある大人でしたら、判断基準のひとつに社会正義は外せません。

 私の判断基準の中心は、自分らしくいられることと自分を高めてくれることです。どんなに素晴らしいことでも、自分らしくいられなかったらやりたくありません。また、自分を高めてくれることでも、千日回峰行のような厳しさはノーサンキューです。あとは程度の問題だけです。

 もちろんある時は、あえてバランスを壊さなくてはならない場合もあります。そんな厳しい選択をする人は、そう判断すること自体が自分らしさなのです。

 そして、当たり前ですが、経営判断に際しては広く社員の意見は聞かないことです。経営者にとってのよき相談相手は社外に求める方がいいのです。

 大きな経営判断がもたらす社内の大きな変化は、社員にとっての新たなストレスになりがちです。それに異を唱えたくなるのが普通の社員というものですから。