プラスとマイナス

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 もしも私に秀でた能力、体力、人格、人生観、判断力が備わっていたとしたら、たぶん税理士をやっていないと思います。それこそ今ごろは日本の大統領になっていたかもしれません。

 いまここで税理士業をやっているという現実が過去の能力、体力、人格、人生観に判断を積み重ねてきた結果です。

 これは決して自分を卑下しているのではありません。ありがたいことに、私の今の環境は恵まれています。ただ、過去の自分にも上手くいかなかった経験や恥ずかしい経験があるのですから、いちいち部下の能力や判断を責めてはいけないと思っています。

 大石会計の社員を見ても、順調に人生を歩んできた人は少ないものです。みんなどこかで躓いた経験があります。受験、就職、結婚、人間関係・・・…すべてが上手くいく人は少ないものです。

 そして環境や生き方を変えてきた結果、ご縁があって大石会計で働いてくれているのです。私も社員も幾多の選択を繰り返した結果の偶然の出会いですから本当にありがたい思いです。過去の人生が順風満帆でしたら、きっとこのご縁はなかったことでしょう。

 ただいいことばかりが起こる人生は考え辛いですし、なにより面白くありません。積極的にマイナスの人生は望みませんが、プラスとマイナスが程よくあることがいいのいではないでしょうか。

 試練があるからこそ人は成長するし優しくもなれます。それは試練の大きさに比例するのかもしれません。『人間万事塞翁が馬』ですね。