人材育成


 満鉄の初代総裁を務めた後藤新平先生は、『財を残すは下、事業を残すは中、人を残すは上 されど財なくんば事業保ち難く、事業なくんば人育ち難し』と言われました。これは私の座右の銘です。

 経営者が財を築くことは大したことではなく、会社を残すことの方が大事、一番上等なのは人材を残すことだ。とは言っても、利益がなければ会社は続けられないし、会社があるからこそ人が育つのだ・・・ですから利益と理念は車の両輪なのです。

 社内で本当に評価されるべきは、収益を直接的にもたらした人ではなく、部下を育て人材を残した人です。人は一人で3人分も5人分も働けないのです。

 会社の都合で人材育成をやっていると社員が思うと人材育成は難しくなります。人材育成は生産性向上が目的ではなく、部下を社会人として成長させ自立させることが目的で、結果として会社の生産性をも向上させるのです。

 人材育成は、人間関係の原則に基づけば容易なのですが、その原則から外れてしまうととたんに難しいものになって、どんなに時間や労力をかけても困難な問題となってしまいます。

 その人間関係の原則とは『他人を変えたければ、自分を変えればいい』ということです。他人がどうのこうのではなく、上司や経営者は自分の背中を見せるしかありません。

 人が影響を受けるのは、相手の言うことやテクニックではありません。相手の生き方なのです。つまり、尊敬する人の前ではやる気になって、そうでない人の前ではやる気が失せるのです。

 何を言うかではなく、誰が言うか・・・・・・社員はよく見ているものです。裸の王様になってはなりませんね。