変化を起こせ

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 世の中全体が拡大するような景気の良さがあれば、他社と似たようなことをやっていても当社は成長するものです。しかし、不景気になった途端に勢いがなくなるような会社が多く、神頼み的な経営をしていた会社がなんと多かったかということを表しています。昨年末から景気が停滞しているため、あちらこちらから悲鳴が聞こえてきますがあなたの会社はいかがでしょうか。

 経営者たる者、アンテナを伸ばして世の中の動向に関心を向けることは重要なことですし、決して悪いことではありません。しかし、「他社がやるから」とか「人に勧められたから」を経営判断の基準にしているようではそれもどうかと思います。

 ビジネスにおいては先頭集団に追いつき、さらに引っ張っていくために、あなたの業界ではまだ誰もやっていないようなことにも関心を示しチャレンジをしていかなければなりません。他人と同じことをしているのは安心ではありますが、多少なりとも先行したいのであればリスクを避けてばかりではいられないのです。

 経営におけるリスク(risk)とは自己の責任において冒す危険の可能性ではありますが、避けなくてはいけないデンジャー(danger)とは違います。そもそも企業経営はリスク抜きでは語れませんし、リスクのない判断を経営判断とも言いません。どうしてもリスクがお嫌でしたら、もう一度サラリーマンに戻るしかありません。もっとも今ではサラリーマンさえもノーリスクとは言えない世の中になってしまいましたから、結局は前向きにリスクをやっつけるぐらいの覚悟で取り組んでいくしかないのです。

 「攻撃は最大の防御なり」と言います。企業経営においても自ら進んで変化することは最大の安全経営と言えるのです。伝統工芸も、何百年も前からの技術や作品を伝えていながらも、多少なりとも現在に合わせる工夫をしているものです。今では歌舞伎でさえも、一般の人に馴染みと理解を求めて解説をイヤホンで聞きながら鑑賞できるようになっているくらいです。

 変化のない会社は市場においていかれます。隣を見ながら真似事をするだけではなく、経営者が当社の進むべき方向性を社内外に明確に打ち出すことで内部からも外部からも自動的に変化が起こってくるものです。経営者の抱くビジョンの開示は世間一般で思われている以上に会社に変化を起こすということを、中小企業の経営者にも分かってもらいたいのです。

 「世間というものは、自分がどこへ行きたいのかを明確にしている人には道を空けてくれますが、他人に自分の行き先を決めてもらうような人のことは無視するものです」 …… ポール・J・マーヤー