100円ボールペン

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 皆さん、お気づきでしょうか。一流営業マンで100円ボールペンを使っている人は滅多にいません。コンビニのビニール傘にしても同じです。彼らは、書ければいい、濡れなければいいという機能のみを重視した考え方ではないことは確かです。

 一流のビジネスマンになろうと思うのなら、まず形から入るのがお勧めです。一流になってから価値あるものを身につけるのでは、いつになるのか分かりません。まずは身につけるものを変えて、それに相応しい自分になっていくのがいいのです。

 特別に高価なものを身につける必要はありませんが、ビシッとフィットしたスーツに身を包み、出来るビジネスマンを演じるのです。演じて演じて、演じ続けたら、やがて本物になっていくのです。

 身につけるものはその人の価値観の表明でもあります。価値観の表明は大袈裟に言えば生き方の表明ですから、身につけるものでその人の生き方が垣間見えてしまうのです。

 身なりになんて気を使わないという人も、その「身なりに気を使わない」という価値観を表明しているのです。そして自分の身なりに無頓着な人が、ビジネスの場においてはお客様の痒いところに手の届くようなサービスを提供できているかといえば、私はそんな姿をイメージすることができません。

 身につけるものだけではありません。配偶者、自動車、住宅、職場……人は誰でも気にいったものしか保有しないものです。その人が保有するすべてのものには意味があり、取り巻く環境そのものにその人の人生観が表れているのです。

 本当に仲の悪い夫婦でしたら別れてしまいます。本当に気にいらない職場でしたら辞めてしまいます。それでも別れられない夫婦、辞められない職場は、本人にとってはまだまだ価値観の許容範囲ということです。

 たった一本のボールペンや傘から人生観を観察されていると思ったら、消費志向も消費性向も少し変わってくるということはないでしょうか。