印象

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 同じミスをしても、人によって周りの反応は違ってきます。良い印象を持たれている人は「君でもそんなことがあるんだ」と、悪い印象を持たれている人は「ほら、言わんこっちゃない」となってしまうのです。この反応の違いはどこから来るのでしょうか。

 心理学者アッシュの研究によると、同一人物の情報を「良い情報→悪い情報」の順と、「悪い情報→良い情報」の順で伝えた場合とでは、同じ情報でもいい情報を先に伝えた前者の方に好印象を抱きやすいことが証明されています。

 たとえば、ある人を紹介する場合に、「A 知的な‐勤勉な‐衝撃的な‐批判力のある‐強情な‐嫉妬深い」と紹介するのと、「B 嫉妬深い‐強情な‐批判力のある‐衝撃的な‐勤勉な‐知的な」と紹介するのとでは、ただ言葉の順序が違うだけなのですが、相手に持たれる印象は違ったものになります。もちろん好印象を与えるのはAの方です。

 最初に使われる言葉によって一度印象が形成されてしまうと、その後の言葉や行動は最初の印象によって歪められて解釈される傾向があるのです。これが初頭効果といわれるものです。どうせ歪められるのなら、最初に好印象を持ってもらい、良い方に歪められるのがいいに決まっています。

 大石会計事務所の採用面接では、弊社の情報を伝えるときに、「マラソンをやる‐ゴミ拾いをやる‐教育勅語を暗唱する‐朝礼で大声を上げる‐お客様応対のルールが多い‐社員提案が採用され易い‐派閥がなくて仲がいい」の順番で伝えていました。まず初めに嫌なことを伝えてしまった方がいいと思ったからです。アッシュ理論からすると、これからは順番を変えた方がいいのかもしれません。

 テキサス大学のある教授の研究によると、見た目が標準より良い人は、平均すると生涯で1780万円多く稼ぐそうです。人の価値は見た目で決まらないと思いたいのですが、実際には見た目、つまり最初の印象で人生が大きく左右されるのだとしたら気にしないわけにはいきません。人は合理的に判断するのではなく印象や思い込みによって判断してしまうものです。