高齢者を見習え

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 このごろの定年を迎える60歳台の方は本当に若々しく、定年後に起業する人や地方に転居して第二の人生を送る人が増えています。

 私が若いころに見ていた定年退職者は、その後にバリバリ働こうなどという方も少なかったものです。当時は働く必要もなかった時代だったのかもしれません。

 先月参加したサロマ湖ウルトラマラソンで驚いたことは、男女ともに70歳台のランナーが多かったことです。要するにお爺ちゃんやお婆ちゃんが100キロ完走を目標に頑張っているのです。普通の人から見たら結構な衝撃です。

 サロマ湖では100キロマラソンを10回完走すると、サロマンブルーの称号、特別ゼッケンと控え室(普通のマラソン大会には控え室はありません)を与えられます。要するに特別待遇を受けられるのです。長い間頑張り続ける人を称える大会なので高齢の方が多くなるのかもしれません。

 高齢の方の多くはタイムよりも完走を目指しているようです。完走といっても100キロというと新宿から河口湖の距離ですから、ただカメのように走り続けるだけでもかなり過酷な戦いです。

 そもそも何のために走っているのでしょうか。健康のためでしたら100キロマラソンはむしろ身体にとっては良くない行為です。たぶん挑戦する理由などないと思います。

 それなのにお爺ちゃんやお婆ちゃんたちは無言で走り続けるのです。そんな姿を若者たちに見せたいものです。

 若者よ、簡単に泣き言を言うな。簡単に諦めるな。簡単に休むな。いまが人生の予行練習ではないのです。

「挑戦せぬものは他人が気になり、本気で挑戦するものは己が気になる」……ブレイントレーナー西田文郎先生