社員を大切に

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「どうにか社会保険を逃れたいのですが」……いまでも時々経営者から聞くセリフです。

 コスト増につながることは避けたい気持ちは分からないではありません。しかし、そろそろ限界が近づいてきているようですね。

 来年からマイナンバー制度が導入されると、税金と社会保険については政府の捕捉率がかなり上がることになります。それでも法の抜け道があると考える経営者がいます。

 いったい社会保険に加入しない正当性を社員にどう説明するのでしょうか。それとも、その話題は社内では徹底的に避けるとか…。

 いつか社員はあなたの会社を離れるときが来ます。社員が将来無年金になったときに社長としてどうコメントするのでしょうか。そんなことは知ったことではないというなら経営者として大いに問題ありです。

 社会保険未加入の社長は「ゴメン、いま当社は社会保険に入れないけど将来に備えて各人が自己防衛するように」と社員に言うならまだしも「どうせ払っても元本割れするから損だ」と、制度の批判をすることで責任を逃れてはいけません。

 私も政府の社会保障制度について納得できているわけではありません。だからといって社会保険未加入や国民年金不払いの人が批判するのはどうかと思います。

 NHK受信料を払わずに批判する人、寄附もしないのに募金活動を批判する人、給食費を払わずに制度を批判する人……批判するなら払ってからにするべきです。

 会社はともかくとして、普通の社員にとっては社会保険に入った方が絶対いいのです。私でしたら、社会保険にも入る気のない会社にわが子を就職させようとは思いません。

 会社経営は大変です。しかし、これからますます人材不足は加速します。社員を大切にする会社が評価される時代がやってきています。