何を言うかではなく、誰が言うか

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20160523

 顧問先の社長が私の話にとても共鳴してくださり、いい経営談義が出来た帰り道、同行した担当社員からこぼされたことがあります。

「私も同じことを言っているのですけどね」……同じことを言っても、自分と大石とでは相手の反応が違うと言うのです。

 社員は日ごろから私の話を聞いていますから、私と似たようなことを話してくるわけです。それはそれで私は嬉しいのですが、それを聞いた相手が社員の話をスルーしていたのです。

 結局は、何を言うかではなくて、それを誰が言うのかが肝心なのですね。それを言っている人の生き方の裏づけがあれば、納得して聞いてくれるものです。

 昨日覚えたばかりのスティーブジョブズやマザーテレサの言葉を、自分の言葉として伝えても人は納得してくれません。でも彼らの教えを実践していると言ったら、人は納得してくれるものです。

 私自身、開業して10年くらいは、今と同じことを話しても、「あなたは何様ですか」とか「きれいごとを言われても」と、反論されたものでした。

 いま思えば、そこに私自身の裏付ける実績がなかったからでしょう。言っていることとやっていることとが、違っていたのかもしれません。

 人を判断するときには、その人が何を言うのかではなく、何をやるのかに焦点を当てると見誤らないとも言います。

「水清ければ魚棲まず」……経営にはきれいごとではなく、清濁併せ呑むような場面もないとは言いません。しかし根本的なところではキレイなことを語り、キレイな経営を実践していきたいものです。

 何を言うのかより、何をやるのかが大切ですね。