私の財産

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 私は税理士になって30数年が経ちます。税理士になったのは中学時代の父親からの勧めがきっかけです。それまでは税理士という職業には馴染みがないどころか聞いたこともありませんでした。 

 大学に進学した目的は税理士の受験資格を得るためでした。今では受験資格はほぼ撤廃されましたが、当時は大学3年生にならないと原則的に受験資格が得られなかったのです。

 だったら大学入学と同時に税理士の勉強を始めたらいいのに、当時の私は意志が弱いダメ男でした。大学の授業にも身を入れず、アルバイトや旅行、麻雀と堕落した学生生活に明け暮れていました。

 4年生になったころには税理士のことなど忘れ去り、就職活動を始めました。目指した就職先は、生意気にも当時山梨県下でナンバーワン企業の山梨中央銀行です。大学のランクも、私自身の成績もいま一つなのに有り難いことに内定をいただけました。

 入行後は学生時代とは打って変わって、働くことにも学ぶことにも真剣に取り組んだものでした。これは私の中では意外なことではなく、社会に出てからが人生の本番と常に思っていました。

 しかし、転機は3年目に来ました。銀行に入って学んだ財務がきっかけで税理士という資格を思い出したのです。通信講座で税理士の簿記論の勉強を始めました。

 はじめは銀行を辞めるつもりもなく、自己啓発のつもりだったのがだんだんのめり込みました。結果、銀行は3年半で退職させていただきました。

 山梨中央銀行時代には、働き甲斐があり、いい学びがあり、なによりいい出会いがありました。その後も現在に至るまでビジネスの繋がりもあり、改めて私の原点はそこにあると感謝しています。ヒヨコは初めて見たものを親と思うと言いますが、私にとっては大きな財産です。