
H.Y
生成AIの台頭により、これまで会計事務所が中心となって行ってきた「会計帳簿の作成」「税務情報の検索」「申告書の作成」といった多くの業務が機械へと代替されつつあります。
2013年のオックスフォード大学(フレイ&オズボーン報告書)を皮切りに数多くのレポートにおいて「税務申告書作成代行者(Tax Preparers)」は、機械への代替可能性が極めて高い職種の一つとされています。こうした将来への不安も一因となり、税理士試験の受験者数も2010年(平成22年)の約5万人から2020年(令和2年)には約2.6万人まで減少しています。
しかし、このような状況の中で起きたコロナ禍による経済停滞が、税理士の役割に変化をもたらしました。多くの中小企業が危機に直面する中、税理士は申告書の作成(代行)にとどまらず、資金繰りの支援(各種給付金・支援金の申請や融資サポート)を通じて経営者のパートナー(伴走支援者)として動いてきました。この時期に築かれた信頼関係は近年の各種アンケートにも明確に表れています。
・中小企業庁「小規模企業白書(2020年版)」
「日常的な相談相手」 税理士・公認会計士が1位に挙げられている。
・金融庁「企業アンケート調査の結果」(2023年6月公表)
「事業承継の相談相手」 顧問税理士との回答が43.0%と最多となる。
・日本政策金融公庫「中小企業におけるデジタル化に関する調査」(2024年9月公表)
「デジタル化の相談相手」 専門のITベンダー(39.8%)に次いで税理士・公認会計士(28.7%)が2位にランクインして士業の中でトップとなる。
これらの結果が示すのは、現在の税理士が税金計算という枠を超えて事業承継からDX(デジタル化)に至るまで経営者の最も身近な相談相手として社会から期待されていることを表しています。こうした税理士が社会に必要とされている姿がメディアで報じられたことや、受験資格の緩和により直近では税理士試験の受験者数は増加へと転じています。
我々も正確な税金計算という基本的業務の徹底は勿論のこと、それ以上に経営者の方の伴走者としてともに歩んで行きたいと考えます。
