世紀末

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占部

「どこに行ってもマスクが買えません」
「今度はトイレットペーパーが手に入りません」
「次は生理用品が品薄になりそうです」

 今や町中から聞こえてくる声です。新型コロナウイルスの影響でマスクは数か月前から徐々に品薄になってきていましたが、ここ2週間くらいの間で急に店頭から姿を消したのがトイレットペーパーです。生理用品もだんだん品薄になってきているそうです。

 事の発端はSNSで「トイレットペーパーのほとんどは中国で製造されていて工場がストップしたので品薄になるよ!」という書き込みがされたことでした。

 これを見た人達が各地でトイレットペーパーをまとめ買いし始め、一気に品薄となりました。その後、専門家からトイレットペーパーの国内シェアは98%程なので足りなくなることはないとの話があり、すぐにデマだと分かりました。

 SNSは良い意味でも悪い意味でも影響力がすごいなと改めて思いました。使い方によっては今まであったけど見向きもされなかったものを一気に流行らすこともできますし、今回のトイレットペーパーのように結局はデマだったのにそれが拡散され実際に品薄になるという事が起こってしまう場合もあります。

 マスクについても、ネット情報の不安感から買い求める人が多くいましたが、WHOから発表があったように「マスクをしていないから感染率が上がるわけではない」とのことでした。

 様々なツールから莫大な量の情報を素早く仕入れられるようになった一方で、今度はその情報が本当に正しいものなのかどうかを判断する能力が、今まで以上に必要になってきている気がします。

 SNSの影響力はさておき、最近の騒動を見ていると何となくですが日本が日本っぽくなくなってきている気がしています。

 ドラッグストアの店員に、入荷はいつかと怒り気味で詰め寄る人、周りの人を押しのけて商品を取る人、取り置きしておけなどと無茶をいう人、横入りする人など、余裕がなくみんながものすごく殺気立っていて、相手のことを思いやる気持ちがなくなってきています。

 私が思う日本人のいいところは「道徳心」だと思っています。今回の件に関しても「自分が多く買ったら他の人がどうなってしまうのか」「店員さんだって自分達と同じ状況なんだよな」ということを普通に考えることができたら、こんな事態は起きなかった気がします。

 これが理想だとは思うのですが、なかなかそうはいかないのが現実です。私も全ての人に対してそう思えるかと言われたらそんな自信はありませんが、まずは小さいところからだと思っています。

 家族や友人、職場の仲間やお客様など、普段接している方々にそういった想いを持つことができるかどうかで、自分の今後が決まってくるような気がしています。

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