出来ないものは出来ない

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20160912

   あるイタリアンレストランで食べたピザが美味しかったので、会計時にその旨を伝えたとろ、「ピザ美味しいとお褒めいただきました~!」とホールに響き渡るスタッフの掛け声。

   流石繁盛店は違いますね。みんな元気です。お褒めいただいたことを大声で店内に知らせるだけですが、それを聞いてピザを頼みたくなる人やレジで褒めたくなる人は確実に増えるはずです。

   以前、地元食材と味に拘る飲食店の社長が、なかなか売上げが伸びないと悩まれて相談に見えました。食材や味など皿の上だけで差別化を図れたら理想ですが、案外難しいものですね。

   相談に見えたお店は、客単価が高く美味しいのですが、接客がまったくなっていないのです。店内に気遣いの空気が広がるだけでお客さんの反応は変わるのでは、と話したら社長も納得して帰られました。

   その後そのお店はどうなったかと言いますと、業績はまったく変わらず赤字のままです。職人的な社長でしたから、お客さんの居心地のいい、所謂ホスピタリティ溢れるお店作りはしたくても出来なかったのです。

   私のアドバイスがよくなかったと反省しています。他人の考えに納得されても、元々その習慣や思考がない人にとってそれは自分の世界ではありません。

   例えば、明るく振舞ったほうがいいと分っていても、出来ない人には出来ないのです。もう少し自分らしさがあるお店作りが出来ていたら結果も違っていたかもしれません。

   ありがたいことに大石会計には時々事務所の見学に来てくださる方がいます。大石会計はいろんな取り組みをしていますが、多くの方は社員の朝礼、電話応対、お出迎え、お茶だしなどに感心されて帰ります。

   お褒めいただけることは本当にありがたいのですが、私はこれをどの会社にも勧めるつもりはありません。見学に見える方は思考が近いからいいのですが、これがすべての会社に合うとは思えないからです。

   会社の文化は社長の人生観そのものです。社長が無理をして自分らしくない社風を実現しようとしても長続きしません。出来ないものは出来ないのですから。