思い通りにならない自分

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20160920

   いま業績が絶好調の会社でも、悩みのない社長に出会ったことがありません。もし悩みのない社長がいましたら、どうやって悩みから開放されたのかを是非聞いてみたいものです。

   とりわけ社員についての悩みは、ほぼすべての社長に共通しています。会社の経営は社員の経営と言っても過言ではありません。社員を経営できないことに多くの社長は悩むのです。それは私にしても同じです。

   組織である会社においては、社員は社長のイメージ通り統一性を持って動いてもらいたいものですが、現実はそんなに甘くありません。正しいことを言って人が動いてくれるのでしたら苦労はありません。他人は簡単にコントロールできないのです。

   唯一思い通りにコントロールできるのが自分自身のはずですが、それすらも難しいのが現実です。社員は何を言われたかではなく、誰に言われたのかに反応しますから、結局のところ社員の経営は社長自身の経営に他ありません。

   私は社員に厳しいことを言った後で「いまごろ落ち込んでいるのではないか」「悔しくて眠れないのではないか」と心配になることがあります。

   社員が涙をためて、悔しそうにした後などはなおさらです。私が正しいと思うように相手も正しいと思っているのです。もしかしたら、自分が間違っていることは分かったけれども、言われ方が気に入らないということもあるかもしれません。人に厳しいことを言う時や責める時にこそ気遣いが必要ですね。

   特に、相手が予想外の反応をしたときには、こちらの考えを上手く伝えられなかったことを反省した方がいいのです。

   社員のことは尊重するのですが、社員のバラバラな考えにいちいち応えていく必要はありません。社員の考え方で会社を運営したのでは会社はあっという間に潰れてしまいます。あくまでも社長の考えを語り続けるのです。

   家庭でも子供を尊重するあまりに、子供の言い分ばかりを聞いていたのではおかしな家庭になりますし、ロクな大人に育ちません。会社も同じです。

   それにしても一番身近な女房や子供たちのみならず、自分自身をもコントロールできないのですから、どうして他人をコントロールできるでしょうか。ああ、今日もまた反省です。