般若心経

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 この週末のお彼岸は、私と家内の各実家のお墓参りに行ってきました。今更ではありますが、年齢とともに先祖の縁やありがたみを深く感じるようになりました。正直言って、若いころのお墓参りは多少義務的に感じていたものです。

 私の実家は法華宗の檀家なのでお経は「南無妙法蓮華経」と唱えます。子供のころ、お経はすべて「南無妙法蓮華経」だと思っていました。そのくらい宗教には興味がありませんでした。

 国内最大派閥の浄土真宗や浄土宗は「南無阿弥陀仏」、曹洞宗や臨済宗は「南無釈迦牟尼仏」と唱えるようなので、墓前で幼児に「ナムナムしなさい」と言うのは多くの仏教に共通なのですね。

 家内の実家は曹洞宗の檀家です。義父母が仏壇に手を合わせて「ギャーテーギャーテーハーラーギャーテー(羯諦羯諦波羅羯諦)」と唱えているのを聞いて、それは曹洞宗のお経と思っていました。初めて聞いたときからそのフレーズは心地よく、耳に残ったものです。

 その「ギャーテーギャーテー」が般若心経だと知ったのは結婚から20年もしてからです。興味を持った私は数年前に般若心経の解説本を購入したのですが、難解過ぎて読破できませんでした。

 私自身は特定の宗教の信者ではありませんが、あるきっかけからいま般若心経を覚えているところです。信心深い方や高い地位にある方、教養のある方々が般若心経を唱えられるように、私も素敵なおじさまになるための教養科目としてやっています。

 江戸時代の子供たちが藩校や寺子屋で意味も分からないまま論語を素読したように、私も深い意味は理解できませんが、まずは形から入ってみます。いつの日か多少でも先人たちの境地に近づきたいものです。