社員の処遇


 中小企業にとって、社員の処遇で一番先に決めなければならないことは賃金水準です。でも、これが一番難しいのですよね。

 新卒社員の給料については他社の情報は入手出来ますから容易に決められます。しかし、中途採用社員の給与については少し難しくなります。採用時の実力判定が難しいからです。「エイヤっ」と決めるしかありませんが、実際に一緒に働いてみないと適正額は分りません。

 また求職者は採用時の給与のみを気にする傾向がありますが、大切なのはその後です。採用時の給与は分っても、その後の昇給率やボーナス水準は見えないケースが多いのです。これは面接時に確認されたらいいのではないでしょうか。

 給与水準については、私が敬愛してやまない故一倉定先生は、同地区のモデル賃金の10%高を目安にすべしと言われます。

 世間相場よりも低いのは経営者としては決して自慢になりません。しかし高過ぎても弊害が出ます。松下幸之助翁は「給料水準は世間が決める」と言われました。よほど特殊なビジネスで高い給料が説明できない限り、高過ぎる給与は世間の力で調整されると言うのです。

 中小企業の社員の福利厚生については、大企業のように社宅を用意するなど出来ませんから限界があります。また、いくらやっても際限がないのが福利厚生でもあります。各社で特徴が出るところではないでしょうか。

 大石会計では、社員がお客様の店舗等を利用した場合に会社が利用額の20%を負担する『お客様利用手当制度』があります。

 これは、「どうせ消費するならお客様のお店で!」という趣旨で始めたものです。社員からはとても喜ばれています。

 給与や福利厚生の水準が、同地域の同業種内で比べて高いことは素晴らしいことで、私もそうありたいと思っています。

 その一方で、待遇は平均以下なのに社員から愛されまくっている会社はそれ以上に理想だと考えています。私の周りにはそんな理想の会社は存在しませんが、そのような会社をご存知の方がいらしたら、是非ご紹介いただきたいものです。

 待遇が良くないのに社員から愛されるには原因が必ずあるはずです。きっと卓越した企業文化があるのだと思います。学ばせていただくことがたくさんあるはずです。