気付くこと

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 小さな子どもと街を歩いていると、おとなでしたら絶対に気付かないような、ちっぽけなものに目が止まることに驚かされます。子どもは自分が興味あるものでしたら、ほんの小さなものでも見逃しません。お店のウィンドウの隅にある、小さなアンパンマンのシールさえも発見してしまいます。

 子どもの頃には気付いていたことも、どうしておとなになると気付かなくなってしまうのでしょうか。それは、意識は同時に二つのことを捕らえることが苦手という、脳の基本的なプログラムがあるからなのです。したがって、興味のないことには気付きが少なくなるのは自然のことなのです。

 それでは、あなたはなんの前ぶりもなく「目を閉じてください。あなたの周囲に赤いものはありましたか」と言われたら、どれだけ赤いものを思い出すことができるでしょうか。それで、目を開けて意識してみると、周囲には意外なほど赤いものが多くあるはずです。

 こんなふうに意識しないでいると、日ごろから身の周りにあるものにさえも、いかに気付いていないかお分かりいただけたのではないでしょうか。同じおとなでも気付きは人によってずいぶんと差があります。

 感性豊かな人でしたらともかく、普通の人は問題意識を持たずに毎日を過ごしていますから、街を歩いていても、どんなお店に行っても、自分の仕事へのリンクを感じることなく帰ってくるだけです。

 そこで明日の一日を、当社でも取り入れてみたいと思えるような「いいことは何かないかな」と、意識して過ごしてみてはいかがでしょうか。きっとこれまでとは違った発見があるはずです。

 他者の行為から学ぼうとする習慣、簡単に言うと、いいものはパクってしまおうとする習慣がある人は、長い事業家人生では大きな結果の違いになって表れます。

 ところで、なぜか嫌なことや腹立たしいことでしたら、意識していなくても気になってしまうのはどうしてなのでしょうか。不思議なことですが、真似たくない嫌なことは誰でも気付くのです。真似たいものや行為、また気付きの多い人にこそなりたいものです。