死に方の宣言

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 わたし自身のテーマは、いつでも『変化』です。何ごとにつけ自分のやり方が一番だなんて思ったこともありませんし、自分にはいつも足りない何かがあると思っているからです。もっとも避けなくてはならないことは、来年の今ごろに一年前を振り返ってみたとき、今と一年後とで何も変わっていないという状況です。

 いつも期待したとおりの変化を遂げられるわけではありませんが、常にイメージだけは変化を求めています。仮に、そのとき期待通りに変化できなかったとしても、唯一経験というものだけは手に入ります。したがって、成功体験はもちろん大切なのですが、前向きに挑戦した結果の失敗や挫折でしたら、それもまた将来の変化の役に立つ経験となるのです。

 以前ある研修で自分の死に方を宣言する機会がありました。いつ、どこで、死因は、誰に見守られて、そのときの家族の状況は、会社の状況は、世の中の状況は……これは究極の人生計画だなと思ったものでした。死ぬときのリアルな環境を宣言するのですから、それはもうこれからの生き方の宣言にほかなりません。

 経営者にとって経営は生き方そのものです。自分の生き方と違った経営をすることなど不可能なのです。ということは会社内で起こっていることのすべては、経営者の生き方に反するものなどないことになります。

 ある計画目標をたてると、当然ですがそれに対する結果を求めます。以前の私でしたら早くその結果を知りたいと思ってしまったものです。しかし、死に方だけは結果を知るわけにはいきませんし、知りたくもありません。なので、死に方宣言をしてからは、結果そのものよりも、変化を求めてもがきながら頑張っていくその過程のほうがが大切なのではないかと思うようになりました。

 どんな目標も結果が出るまでにはそれだけ時は経過してしまっているのですから、歳をとっていく自分をイメージすることになりあまり楽しいことではありません。そう考えるとすべてに納得できているわけではない今の環境にもありがたみを感じてしまいます。結局、その結果に至るまでの少し苦しい過程は、神様が与えてくれた試練だと思って、楽しみながら経験していくことがいいのではないでしょうか。

 みなさまも一度、死に方を宣言されてみてはいかがですか。その状況がより具体的な宣言であるほど、ものの考え方や生き方に変化がでてくるかもしれません。