幸せって何だっけ

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 みなさまは、いま幸福を感じていますか。イギリスのある調査によりますと、日本は世界178の国と地域の中で幸福度ランキングが90位なのだそうです。

 信じられない結果です。わが日本国民はありがたみを感じられない国民になってしまったのかとガッカリしてしまいます。それとも、社会の成熟が進み欲求水準が高くなった結果、幸せのハードルも高くなってしまったのでしょうか。もしそうだとすれば、平和ボケもいいところです。

 景気が良くないといっても、世界的に見たらわが国は本当に恵まれた環境にあります。アジアやアフリカには貧しくて小学校に行くことが出来ないどころか、その年齢に達することもなく病気や飢えで亡くなる子どもたちがたくさんいるのです。

 上を見ても下を見てもキリがありませんが、わたしはどうせ見るのなら上を見たいものだと思っています。しかしその結果、自分の環境を不幸だと思ってしまうようでは、そもそも見方が違うのではないでしょうか。

 これは、何でも与えられ慣れてしまった結果なのかもしれません。物質だけではなく、愛や優しさも子どものころから与えられ過ぎているのです。若者だけでなく国民全体にもう少し野性味というかワイルドさがあってもいいと思うのはわたしだけでしょうか。

 先日、ある研修でカンボジアからの留学生と共に学ぶ機会がありました。かれらは貧乏であることを恥ずかしいとも、不幸だとも思ってはいません。貧乏なのは環境であって、それと行動、能力、価値観、人格はまったく別のものなのだとかれらは理解しているようです。悲壮感もなく、貧乏な環境を脱してカンボジアと日本の架け橋になりたいと目を輝かせて本気で学んでいるのですから、簡単な気持ちで研修に参加している我々日本人とは覚悟が違いすぎます。

 あなたにとって「幸福」とはどんな状態を言いますか。どんな状態なのか分からずに、幸福になりたいとイメージすることは難しいものです。イメージできないことは実現も難しくなります。したがって、自分の中で「幸福」を定義付けておくことはとても意義あることだと思うのですが。