合わせ技2

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 あなたの会社ではどんな営業ツールをお使いですか。チラシ、ポスティング、DM、看板、FAX、TEL、ホームページ(HP)、ブログ、メルマガ……なにが有効なのかは業種によって異なりますが、営業は口コミだけなんていうのは避けてもらいたいものです。

 社長からときどき「当店は口コミを重視しているんです」と聞きます。たいした営業努力もしていないお店に限ってそんなセリフが出てくるのを、わたしたちは経験上知っています。口コミ営業とは何もやらないことではありません。
 お客様に口コミで広めてもらいたいのでしたら、お店の側が伝えたいなにかを発信していかなくてはいけません。なにを発信したいのかをイメージし、それを言語化できなくては成り行き任せです。いいモノを作りさえすれば口コミで広がるなんていう期待はせず、お客様が誰かに話したくなるような工夫をするのです。

 数ある営業ツールの中でもコストパフォーマンスが高いのはやはりHPです。飲食店、美容院、花屋、病院、歯医者、中古車屋、不動産屋……インターネットの普及率は9割を超え、消費者の多くは行きたいお店の情報をネットで調べます。わたしは過去2度の事務移転の物件探しはネット情報からでした。

 HPは新商品やイベント情報をタイムリーに広告できますし、なにより24時間365日働き続けてくれます。他の媒体に比べ多くの情報を掲載できます。その効果はHPを持っているお店にしか実感できません。

 HPを作らない経営者は、「更新しないHPならない方がまし」「ネット客は移り気」などと言います。できない理由ややらない理由は聞いて楽しくありません。どうやったら上手くできるのかを考えてほしいものです。

 HPのもうひとつの効用としては人材の採用現場でとても大きなメリットがあることです。最近の若者は求人情報を見たら、まずはその会社のHPでメッセージや雰囲気を確認します。最初にHPのある会社の情報を集めますから、HPがない会社はその段階でリクルート戦線から脱落です。

 いまやハローワークの求人情報もネット検索が当たり前になりました。ハローワークから自社HPにリンクされていないと、そこでもまた不利な戦いとなります。 

 もちろんHPだけで営業や採用の問題が解決するわけではありません。噂を聞いて、チラシを見て、看板を見て、それからHPを見るのです。基本業務をしっかりすることが会社にとって一番大切なのですが、メッセージを社外に上手に伝えることも同じくらい大切です。そのためにもHPは極めて有効な合わせ技のひとつになるのです。