弱者の戦い方

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 地方企業の経営者の中には「地方に比べて人口が多い都会の商売は楽だ」と言われる方がいます。そんな方の経営する企業に限って、その地方での商売は上手くいっていないものです。地方で受け入れられない会社がどうして大都市で上手くいくのでしょうか。

 人がたくさんいれば儲かるというのなら、新宿や渋谷のお店はどこも大繁盛でてんてこ舞いとなるはずです。しかし、残念なことに商売はそこまで甘くはありません。

 普通の中小企業の営業での狙い目は局地戦です。小さな領域で輝く戦い方をするべきです。特に大企業やメジャーブランドと競合するようなケースでは、大都市で正面から同じやり方で競い合ったのではひとたまりもありません。いずれは渡り合えるようになりたいのは山々ですが、こちらに力のないうちは有力企業の影響の少ないところでじっくりとチカラをつけることです。

 局地戦、分かりやすい例では辺境の地での戦いです。相手が大企業であっても、彼らにとって死角となる地域での戦いでしたら対等以上に渡り合うことができます。大企業の営業マンが足を延ばすことが少ない島、半島、川べり、県境、急行が止まらない小さな駅周辺、そんなところには強い営業相手はいないものです。

 ビジネスでは負ける勝負をしてはいけません。根性出して恰好よさげに戦っても、結果、最後に負けてしまったのでは意味がないのです。

 強い相手とは戦わないのが一番ですが、もしも戦うとしたら狭い地域に2〜3倍の営業を投下しての必勝態勢で行くしかありません。長期の消耗戦になったら資本力に勝る企業に有利なのです。

 強者には強者の戦い方があり、弱者には弱者なりの戦い方があるのです。弱者が強者の真似をしたところで効果は期待できないどころか、社内は疲れ果ててしまうだけです。町の定食屋が東京ドームに看板を出したところで効果はないのですから。