気になる日本語

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20161031

 田舎育ちで、言葉遣いもけっして褒められたものではない私ですが、今日は日ごろから気になっている日本語を取り上げてみます。

 それでは第1回目です。「第1回目」……これは大手企業の文書等でもしばしば見かける使い方で、案外やらかしている人が多いです。

 “第”と“目”はどちらも順序を示し同じ意味なのだと、小学校の授業で教えられた記憶があります。第1回目では重複(ちょうふく)になってしまうのです。頭痛が痛いと同じかもしれませんね。

 ですから、野球中継でアナウンサーは、「ピッチャー振りかぶって第1球目、投げました」と言いません。「第1球、投げました」または「1球目、投げました」と必ず言っています。

「第1日目」「第1番目」「第1戦目」……意味は通じますが、出来ることなら使わない方がよろしいかと。

「すごい美味しい」「すごい嬉しい」「すごい暑い」……これも変ですが、つい言ってしまいがちです。

 正しくは、「すごく美味しい」「すごく嬉しい」「すごく暑い」です。TVの文字テロップでは必ず“すごい”の音声を“すごく”に変えているのはお気付きでしょうか。

 相手にねぎらいの意を込めて「ご苦労様」にも違和感を感じることがあります。これはお客様や目上の人には使ってはならない言葉です。

 尊敬語とか丁寧語で言うのなら「お疲れ様」が無難です。立場の違いを超えて使えるのは「お疲れ様」ですから、「ご苦労様」はあなたのボキャブラリーから消し去っても問題はありません。

「違和感を感じる」も変ですね。これも頭痛が痛いの類です。「違和感を覚える」が正しい使い方ではないでしょうか。

 かつて私がこのコラムで使って指摘されたのが、「耳障りがいい」でした。これも言ってしまいがちです。

 耳障りとは、耳に障るのですから不快のときに使うのが本来の使い方なのだそうです。それからは「耳に心地いい」と表現しています。

 それにしても日本語って難しいです。私が学生時代最も苦手な科目が国語でしたし、わが子が小学生のとき、中学受験用の国語の問題を一緒に解いたら、恥ずかしながらやっぱり私には出来ませんでした。そんな私が日本語について能書きを並べるのも変ですよね。