心と形

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 心がまったく伴わないけれど見た目は完全な挨拶と、心はこもっているのだけれども形がまったくなっていない挨拶、どちらが正しいでしょうか。って、どちらも正しくないですよね。

 心がこもらない挨拶ならしないほうがいいという人がいます。たしかにそうです。しかし、それは正論と言うものです。誰に対しても誠心誠意心をこめた応対は理想ですが難しい場面もあります。それでも挨拶はしなくてはいけないのです。

 そもそも心が伴わない(こめられない)挨拶をするしかない場面も考えられます。例えば、怖いお兄さんの集団やモンスタークレーマーなど、お店にとっても他のお客様にとっても迷惑な人っているじゃないですか。

 そんな人が来店した場合、心をこめての接遇などできません。心はこもっていなくても正しい形で対応するのが正解ではないでしょうか。

 心はいらないと言っているのではありません。博愛主義で万人を愛しなさいと、まずは心を重視したのでは、いつまで経っても形にたどり着くことができません。最初は形から入るのが正解ではないでしょうか。

 武道や華道、茶道もまずは形からです。心から入ったのでは形に至るまでは気が遠くなる道のりです。形から入ってそれに磨きをかけることで、内面も磨かれていくのではないでしょうか。

 くれぐれも誤解されると困るのですが、私は心なんていらないと言っているのではありません。人は、関係が深くなるほど形よりも心なのです。しかし、ビジネスは初対面一発勝負なのです。