資金繰り

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 銀行は晴れた日に傘を貸し、雨が降ったら傘を取りあげると銀行を揶揄して言われます。

 これについて某銀行の支店長は「その通りです」と言い切りました。だからこそ借りられるときには十分な資金を借りておいた方がいいのだと言うのです。

 銀行から貸したいと言ってきたときには、いつでも借りられると思って断ってしまう社長がいますが、やはり借りられるときには借りておいた方がいいのです。

 借りないリスクは、将来会社が資金を必要としたときに借りられない、つまり資金に詰まって会社の存続が危ぶまれるというリスクです。

 一方で借りるリスクは、利息を支払うことで資金が流出するというリスクです。1000万円借りた場合、金利2%として1年間で20万円の利息を払うというリスクです。2~3%の金利など、会社が資金繰りに詰まることに比べたら、取るに足りないリスクです。

 会社の重要課題に取り組む社長が、1ヶ月のうちで資金繰りに費やしていい理想的な時間はどのくらいだと思いますか。

 答えは『0時間』です。社長が資金繰りに時間をかけて生み出されるものは何もありません。つまり生産性はゼロなのです。

 もちろん資金がなくて商売はできませんから、その調達も重要課題ではあります。しかし資金に余裕さえあったら資金繰りなどで悩まなくて済むのです。

 資金繰りで悩んでいる社長にはまともな経営判断ができなくなります。どうしてそんな言動、考えをしてしまうのだろうかという例を数多く見てきました。

 借りられるときに借りておく。銀行が貸したいと言ってきたら素直に借りておく。それも多めに借りておく。銀行は無理な貸付けはしないものです。