クレーム

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 私は、社員が起こした自動車事故には怒りませんが、お客様から受けたクレームについては涼しい顔はしていられません。

 大石会計ではクレームはすべて朝礼で公開するルールになっています。お客様からのクレームを、社内に内緒で自己処理してしまうことは認めません。クレームを隠蔽した社員はペナルティの対象です。

 朝礼で公開したことに、「みんなの前でさらし者にされた」と言って辞めていった社員もいます。さらし者にされたと言うくらいですから反省が足りないのです。カッコ悪いことを他の社員に知られたくないのですね。

 ミスをすることはいいことではありませんが、仕事をする以上はある程度のミスは仕方がありません。ミスを完全に防ごうと思ったら仕事をしないに限ります。しかし、それでは積極性がなくなります。

 お客様はミスそのものにクレームを出される方は少ないものです。クレームの多くはミス後の対応に対してではないでしょうか。あるいは、ミスをきっかけに「ほら、言わんこっちゃない」と日ごろの態度に対してではないでしょうか。お客様でも立場が上の人ほど、仕事にはミスはつきものであることは分かっているのです。

 ひとつの傾向として、言い訳が多い社員にはクレームが多い気がします。自己を正当化したい気持ちがお客様目線ではなくなるのでしょう。クレームを多く受ける社員に言い訳が多いとは限りませんが、言い訳の多い社員にはクレームが多いのです。

 お客様との関わりの中から出てくるクレームについては、時には社員も言い訳をしたくなる場面はあるかもしれません。しかし、こちらに落ち度がないことをどんなにお客様に説明しても、お客様は収まらないものです。

 お客様に落ち度がある場合でも、それを理路整然と説明すればするほどお客様は収まりがつかなくなります。お客様は、ただ気に入らなかったことを、口に出して聴いてもらえるだけで気が済むことも多いのです。相手に逃げ場を失うほど追い詰めてはなりません。まず謝ることからはじめるのがいいのです。