あいさつ

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「女性のお辞儀は、頭をゆったり上げるとエレガントに見えますよ」と、家内は若いときに母親から教えられたそうです。

   私は農家の息子で育ちが違いますから、両親からエレガントなお辞儀など教えられたことはありません。

   挨拶といえば、小学生のときに実家を訪れたお客さんに、きちんと挨拶が出来なかったと、亡父から火が出るように怒られた苦い思い出があるくらいです。

   人は挨拶だけで評価されることが少なくありません。挨拶がキチンと出来ない人がダメ人間ということはないのですが、とかく世間では「挨拶もロクに出来ないダメな奴」と思われがちです。

   目が笑っていない挨拶、逃げるように頭を下げたまま向きを変えて去っていく挨拶、相手が立って挨拶しているのに座ったまま返す挨拶、どれも感じよくないですよね。

   またスーパーやコンビニのレジのお姉さんの、お客さんの目を見ない「ありがとうございます」にはやる気を感じないばかりか、気分を害してしまいます。さすがに格が違うデパートではそんな応対はしません。 

   街中でよく見かけるシーンでは、子連れの母親が、子供が親切にしてもらったときに、母親自身は挨拶をせずに子供に「○○ちゃん、ありがとうは」と子供だけにお礼を促す場面にも少し違和感を覚えます。

   挨拶はコミュニケーションの一部です。どんなに心がこもっていても、相手に伝わらなかったら意味がありません。ですから形が大切になります。極端には、たとえ心は伴っていなくても、相手に快く思ってもらえたならそれでいいのです。

   もっとも、形がしっかりしていたら心はこもるものです。反対に、心がこもっていたら形に表れるとも言えますが、こめる心の程度は個人差があり見え辛いものです。そもそも誰に対しても同じくらい心をこめるなんて無理じゃないですか。やはり形が大切ですね。