紙の手形・小切手廃止

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 私が22歳で就職したのは地元の山梨中央銀行でした。“ヒヨコは初めて見たものを親と思う”といいますが、私の場合もビジネスの原点は社会人生活のスタートだったこの銀行での経験でした。

 配属された支店での最初の担当は当座預金の係でした。毎日回ってくる小切手、手形に押された届出印と保管してある印鑑票を熟視して照合するのが一番の仕事です。大事な仕事ですが無機質であまり楽しい記憶はありません。

 銀行に就職すると財務や税務、法務を学ぶことになります。そこで学んだ財務がきっかけで税理士の勉強を始めたのですから、これも有り難いご縁でした。

 私は税理士を起業したらやりたいと思っていたことがありました。それは自分の小切手を振り出すことです。

 銀行員だった時に小切手を扱う社長の姿に憧れていました。普通預金は誰もが無条件で開設できましたが、小切手を振り出せる当座預金の開設は一定レベルの会社にしか許可されませんでした。

 銀行の承認で紙切れ一枚に信用力を持たせるのですから、それは一つのステイタスに思えたものでした。

 それが2026年から紙の小切手・手形から電子的決済に移行することになりました。これで私自身が小切手を振り出す夢は永遠に絶たれることになります。

 時代はペーパーレスに向け移行中です。新聞も書籍も電子ですし、財布に紙幣が入ってなくても気にならなくなりました。

 書類で溢れている大石会計も時代に乗り遅れないよう、現在ペーパーレスに向けて改革中です。