経営の意思決定

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 ものごとを決めるとき多数決という便利な手法があります。民主的決定なので多くの人が納得しやすい方法です。

 民主的経営、これを会社がしたらどうなるでしょうか。

 大石会計には社員からの提案を求める『目安箱』があります。小さな提案であっても社内で議論すると意外に結論にたどり着くまでに時間がかかります。

 開かれた経営というと、社員も経営に参画できる民主経営をイメージする人がいますが、目安箱の提案ですらみんなの合意は得られ難いのです。タイミングを求められる経営には向いていません。そもそも合議制で決まったことは平均的になり、イノベーションは起こりません。

 社長の一番大事な仕事は『決定すること』です。ここで言う決定は経営的意思決定です。通常大きな決定には大きな変化が伴うので、そこには大きな覚悟が要ります。

 経営における覚悟とは、失敗した時に深く反省して謝れば済むというものではありません。責任をとるということです。その場合の責任とは経済的な穴埋めのことです。普通の社員にそこまでの覚悟は求められません。

 従って、中小企業における経営的意思決定はワンマンで行うのがいいのです。もしくは覚悟を共有できる者のみで行うのです。社員に委譲すべきは経営的意思決定ではなく業務的意思決定です。

 ワンマン経営者というとわがまま社長をイメージしますが、経営は失敗した時の責任をとることができる人間にしかできないのです。

 国家の運営、プロスポーツの運営、中小企業の運営・・・どれも結果を出せるか否かはほぼトップで決まります。私も心しないといけません。