偶然or心がけ

LINEで送る

「この土地、大石会計にピッタリではありませんか?」
 昨年の夏、三井のリハウスの若い営業マンが事務所に飛び込んできました。
「家内と銀行に相談してから返事をします」

 外出直前でバタバタしていた私は、興味は惹かれましたが直ぐに返事はせずに営業マンに帰ってもらいました。

 数分後、その営業マンから焦った様子の電話が入りました。
「大石さん、直ぐに申込書を書いた方がいいと思います。いま営業店内がこの物件を巡って大騒ぎになっています」

 国立は街が小さいうえに住居専用地域が大半なので、駅近くには滅多にビル用地は出ません。値段交渉は一切せず、情報入手30分後には購入申込書を書きました。

 3日後に売主側から連絡が入りました。何件もあった購入申込みの中から大石会計を選んでくれたのです。決め手となったのは、申込書に大石会計の会社案内を添えたことでした。大石会計の取り組みを見て、売るならこの会計事務所と思われたそうです。

 その土地購入から遡ること3年、事務所が狭くなり引っ越しを検討したのですが、国立駅近辺には希望する広さの賃貸物件はありませんでした。

 仕方がないので大手の不動産会社2社にだけ、延べ床面積200坪の建物が建つ用地があったら紹介してほしいとお願いしておきました。ダメ元でした。

 その時話を聞いてくれた三井のリハウスの営業マンは、入社2年目の頼りなさげな若者でした。この人にお願いしても無理だろうと、期待もせず数分会話しただけで名刺を渡してその場を去りました。

 それから3年後、冒頭の「これ、ピッタリでは?」と若い営業マンが飛び込んできたのです。その3年間、ただの一度の連絡もありませんでした。

 大石会計はその3年の間に、狭さに耐えられずに近所のビルを借り増ししています。別ビルに移った社員からは疎外感があると言われ、それがずっと心に引っ掛かっていました。今回の引っ越しでそれが解消できたことがありがたいです。

 それにしても、出会いにはいくつもの偶然が重なりあうものです。今回の社屋取得も次のような偶然の賜物でした。

・ダメ元で、縁もない不動産会社に飛び込みでお願いしておいたこと
・営業マンが私を覚えていて、物件情報入手直後に動いてくれたこと
・営業マンが転勤せずにいたこと(その後転勤になりました)
・私がたまたま事務所にいて即決できたこと(当日は金曜日の午後で外出準備をしているところでした。週末を挟んだら縁はなかったでしょう)
・会社案内をお渡ししたこと(営業マンは必要ないと言っていましたが、念のためでした)

 前向きなひと手間、それと日ごろの心掛けが大切ですね。ものごとは行動しないことには何も始まらないし、変わらないとあらためて思った出来事でした。