はじめが肝心

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 私の知人の男性は、言葉も笑顔も少ないのですがとてもいい人です。若いのに男っぽさもあり、個人的には長く付き合いたくなるような人です。

 ところが、はじめて彼と仕事で関わった人は、その言葉少なく不愛想な彼にストレスを感じることがあります。時には誤解や不信感となることもあるようです。

 彼の仕事は、あるアイディアを提案する会社で働くサラリーマンです。一人当たりの年間受注数は多くて数件程度という高額なアイディアの提供です。

 彼は相手が喜ぶ素敵なアイディアを提供したらビジネスは成功すると思っています。つまり、ビジネスの成果はアイディア次第と考えている節があります。

 先日、サラリーマンの彼が、いつかは起業できたらと夢を口にしました。それに私は反応してしまいました。

 数百人の経営者とお付き合いしている私には、このタイプの人が起業して上手くいくイメージがないのです。上等な技術を持っている人が上手くいくとは、職人が陥りやすい思い込みです。

 ビジネスは出会った瞬間が大切です。つまり、噛めば噛むほど味が出るスルメのような人はビジネスには向きません。はじめのチャンスをものにできなくては、噛まれる前に終わってしまうのです。

 そんなことを彼に伝えたところ、とても納得してくれました。不愛想な振る舞いは奥様からも注意されるそうですが、これまでは素直に聞けなかったそうです。彼の男っぽさがうまく伝わったら人生はきっと順回転するはずです。