思いがすべて

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 経営とは、普通なら無理と思えることや明確に白黒つかないことに、経営者自身の価値基準によって決断を下して問題解決していくことの積み重ねです。はじめから整った条件の下では判断そのものが不要になりますが、それはあり得ないことです。はじめは整っていない条件を、経営者自身の考えに基づき徐々に当社に合う条件に変え、あるいは当社をその条件に合うように変化させ、企業を成長拡大または質的向上させることが経営者の仕事なのです。

 したがって、企業経営においては成功や失敗は条件次第などということはもちろんありません。経営者がどのように考えてどのように行動するかにすべてがかかっているのです。だからこそ、人も羨むような条件に恵まれていながらも順回転できない会社もあれば、困難な条件を乗り越えて成功を手にする経営者もいるのです。

 わたし自身の反省としても、わたしに緊張感がないまま過ごした時代と、事務所が停滞していた時代とはピッタリ重なります。思いが変われば行動が変わります。そして行動が変われば習慣が変わり、習慣が変われば人格が変わり、人格が変われば環境が変わるとも言います。

 この『思い』がすべての始まりとなり結果としてあなたの環境へと導かれますから、会社も人生もこの『思い』以上にも以下にもなることはありません。努力することも、覚悟を決めることも、優しく振舞うことも、手を抜くことも、逃げ出すことも、すべてはあなたの『思い』次第です。オーナー社長のあなたは誰からも強制されることはないのです。

 およそあらゆる現象には偶然というものはなく、原因があっての結果でありますが、その原因のさらに元となるものが『思い』なのです。そして、社長の『思い』のすべてが最後には結果となって会社の貸借対照表に表れますから、いま現在のあなたの会社の状況すべては誰のせいでもなく、社長であるあなた自身の『思い』が顕在化しただけなのです。会社の大きさや業績、あり方もあなたの『思い』そのものなのですから、その結果に言い訳など通用しないということです。まさにあなたの『思う』がまま、といったところでしょう。