経営者の価値観

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 わたしたちの環境は自分の価値観に合うものばかりで構成されます。すべては自分の思い通りになっているのです。一旦は価値観に合わないものを手に入れたとしても、それが本当に価値観に合わないものでしたら手放してしまいますから、少なくとも価値観に反するものを持ち続ける人はいません。

 これは配偶者や勤めている会社、住んでいる家にしても同じです。どうしても嫌ならとっとと別れるか退職し、あるいは引っ越してしまうに違いありません。

 あるものを嫌だと思いながらも手放さないでいるのは、何かと比べたらまだましという価値観が働いているからなのではないでしょうか。その意味では、身の回りで嫌だと思っていつつも持ち続けているものがあったとしたら、それは許容できる嫌さで、自身の価値観の中では受け入れ可能だということです。

 中小企業の環境にしても同じです。そこにはオーナー経営者の価値観が色濃く表れます。会社は、経営者がどのように考えているのか、どのような展望を持っているのかで全く違ったものになります。経営者の価値観に合わないような会社には絶対に出来ませんし、経営者が思ってもいないことが現実になることはないのです。

 ということは、理想の会社を作りたければ経営者自身が理想についてある程度明確に考える必要があります。自分の理想を語れずして会社が勝手に理想どおりになることはあり得ないのですから。

 もしも経営者であるあなたが、理想とする会社を想い描くことが出来ない場合には、あなたの会社が10年、20年後にどのようになっていたいのかを考えてみるといいでしょう。ただしこの場合、あらゆる障害となる要因を無視してください。出来ない理由は簡単に思いついてしまいますから。すべてが理想どおりにいったとしたらどんな会社になっているのかを考えてください。

 その時に良くないのは、間違った経営や駄目な経営について考えることです。良いものは悪いものの反対ではありません。単に異なるだけなので、駄目なことを研究したからといって良い結果が表れるとは限りません。成功した結婚生活の特徴を知るために不幸な結婚生活を研究してもほとんど役に立たないのと同じことです。