親子関係


 かつての中小企業の経営は社長である父親引退の後は、当然のように息子が引き継いだものです。今ではそんなに簡単な話ではなくなりました。>

 事業承継で一番困ってしまうのは親子の関係が良くないケースです。これって意外と多いです。

 どの場合も、社長である父親が息子をまったくもって認めていないのです。だったら継がせなければいいのにと思いますが、そこは親子ですね。

 父親のお眼鏡に叶う息子になって欲しいと思っているのでしょうが、息子も40歳にも50歳にもなってから性格なんて変えられません。

 このようなケースではほぼ100%息子は父親を苦手にしています。仕事上は認めていても、親としては認めていないのです。鶏が先なのか、卵が先なのか、分かりませんね。

 こんな時、多くの場合父親に問題がある気がします。でも私は息子さんに「我慢しなさい」と言います。先が長い人が我慢するのがいいのです。

 親を大切にしたいという感情が出てこない子供は、だいたい子供に責任ありません。親がきちんと愛情を向けてこなかったからではないでしょうか。きちんと親から慈愛を受けて育った子供は、親の間違いを指摘する場合にも、親に敬意をもって、親が聞き入れやすいようにします。

 上手くいっていない親子の場合は、子供にこの敬意が足りないのです。その子供の態度にまた親が腹を立てるという、悪循環です。

 今更父親の言動は変えられませんから、息子が我慢するしかありません。そんな我慢する息子が私は大好きです。

 世の中を見ていると、態度や振る舞いがよくないのは、私たちより上の年代が多い気がします。若者は案外きちんとしています。私も反省しなくてはいけませんね。

『子曰く、父在せば其の志を観、父没すれば其の行いを観る。三年父の道を改むる無くんば、孝と謂う可し』【論語:学而第一】

……父親が生きているときには、その気持ちを察して、それに添うように努め、父親が亡くなってからは、その行った跡を見て、これを継承するのがよい。そして亡くなってから3年間父親のやってきたことを改めずに引き継ぐのが真の孝行と言えます。