サラリーマン時代で決まるその後の明暗

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 若いころ地方銀行で働いていたころ、20軒以上のペンションが集まるペンション村が担当にありました。オーナーはどなたも都会の脱サラ組みで、持ち家を売却して第二の人生に挑んでいる方たちばかりでした。

 そこはある商社が開発したペンション村でしたので、どの棟も規模やデザインに大きな違いはありませんでしたが業績には各棟で大きな差がありました。30年以上前の話ですからまだインターネット集客などない時代です。

 ある時、私はそこに大きな共通点があることに気づきました。それはその後の私のビジネスマン人生に大きな影響がありました。

 その共通点とは、各オーナーのサラリーマン時代の経歴の差でした。業績のいいオーナーはサラリーマン時代にも輝かしい実績を残していたのです。

 一方、出身会社の愚痴をこぼすショボいサラリーマン人生を送ってきた人のペンションの集客はサッパリなのです。

 話は変わりますがある時、素晴らしい業績を上げている飲食店オーナーのサラリーマン時代の良くない噂が耳に入りました。口先ばかりで自分勝手なサラリーマンだったと仲間の評判がよくありません。

 私は、オーナーから立派な経営理念や高水準の顧客サービスについて聞かされていましたし、業績も破竹の勢いでしたから、にわかに信じられませんでした。

 しかし開店から2~3年すると、社員の離職が増えるようになり、社長の顔つきから優しさは消えていまいました。業績はあっという間に下降して、数年後には自己破産に追い込まれたのです。

 私は起業者が上手くいくかどうかは、サラリーマン時代のすごし方を聞いたらだいたい想像がつくようになりました。しかもかなりの精度です。

 結局のところ、人生観や職業観は経営者になったからと言って変わるものではありません。心して取り組まなくてはいけませんね。