税制改正について


羽藤

 平成29年度税制改正においては、いわゆるスピンオフ税制創設など組織再編税制について大きな影響のある改正が行われました。そこで、今回は組織再編税制の基本を振り返りたいと考えています。

 組織再編成税制は、適格組織再編成(以下「適格」とします。)といわゆる非適格組織再編成(以下「非適格」とします。)に課税上は大別されています。

 これは、制度創設当時、企業の国際競争が激しさを増しており、本邦企業の国際的競争力を確保することを目的として導入されたものであることから、税制が企業間の競争力を削ぐことがないようその実態に即して課税をする必要があったためです。

 その実態を、適格要件により判定することとし、これを満たしていれば「組織再編成前後で経済実態に実質的な変更がない」ものとして、前者は税制上の適格要件を満たす組織再編成であることから組織再編による資産等の移転にかかる課税を繰延べることとされ、後者は満たさないため当該移転等につき法人税法の原則である時価課税による課税がされることとなります。

 では、その判断基準となる適格要件はどのように整理をされているかというと、先ずは組織再編を行う法人間の出資関係に着目し、企業グループ内再編(以下「グループ内再編」とします。)と企業グループ外再編(以下「グループ外再編」とします。)に区分をします。グループ内再編は支配関係或いは完全支配関係があることが前提となり、グループ外再編はこれら以外となるため支配関係も完全支配関係もないこととなります。

 この出資関係を前提に「組織再編前後で経済実態に実質的な変更がない」かの詳細を、組織再編による企業同士の結合要素である「金(対価)」「事業」「人」などの継続性を適格要件として判定をします。

 元々の出資関係が深ければ「組織再編前後で経済実態に実質的な変更がない」こととなるため、適格要件による規制は緩く、グループ外再編のように浅い場合はその規制が厳しくなります。

 以上のように、出資関係の深浅(グループ内再編かグループ外再編か)とこれに応じた適格要件の規制により「組織再編前後で経済実態に実質的な変更がない」かすなわち「投資の継続性」を判定し、適格であれば継続性ありとして課税を繰延べ、非適格であればなしとして課税となります。

 今般のいわゆるスピンオフ税制はグループ外再編に属する部分の適格要件の改正であり、かつ、適格となる組織再編成の類型の追加となっており、組織再編成税制の概念を拡張するものとなっています。

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