労働者災害補償保険法


宮内 美紀

 今週の日曜日(8月27日)は年に1度の社労士試験でした。試験を受けられた方、本当にお疲れさまでした。1年に及ぶ勉強期間、想像するだけでもぞっとします。

 社労士資格取得に必要な勉強時間は約1,000時間だそうです。1年間毎日勉強するにしても、1日2.7時間。働きながらこの時間を捻出することはそんなに簡単ではなく、強い気持ちとただただ続けることが大事だと思いました。当時の私の応援ソングは、大事MANブラザーズの“それが大事”でした。(笑)。

 勉強していた時を振り返り、最近、労災事故の手続きが増えているので、タイトルにある労働者災害補償保険法(労災保険)について、改めて整理したいと思いました。

 従業員さんから、仕事でケガをしたから労災を使いたいと申出があり、労災を使うと保険料が上がってしまうから使いたくない。と誤解されている経営者の方、非常に多いのではないでしょうか??

 ※労災とは「労働災害」の略で、仕事が原因で、怪我をしたり病気になったりしてしまうことを言います。

 確かに労災保険にも、自動車保険のように、保険金の給付を受ければ、契約者(会社)は翌年の保険料が上がってしまう「メリット制」というものがあります。メリット制はとても複雑ですので、ここでは詳しく説明しませんが、労災保険の場合、保険料が上がってしまうのはすべての会社に適用されるわけではありません。

 適用されるには、一定の規模以上の事業であることが必要です。少なくとも従業員数が20人未満の会社では、どんなに労災の給付を受けても、翌年の保険料は上がることはありません。逆に言えば、何十年も無事故でも、保険料が下がることもありません。

 ※ちなみにこの保険料が上がってしまう労災事故に通勤事故は含まれません。ですので、20人未満の会社は、せっかく毎年保険料を納めているので、労災事故があったら正しく申請することをお勧めします。

 最近は、上記で説明した労災保険以外に、上乗せの保険として、業務災害補償保険の加入も顧問先様に強くお願いしています。

 昨年起きた電通の過酷な長時間労働と労働実態、過労死等は大きなニュースとなりました。「過酷な労働を強いられたことが原因で過労死した」「事故は会社が管理を怠ったため」など労働者の保護を目的とした法令も数多くあり、思わぬところから労務リスクが発生する可能性が増えてきています。

 もし、従業員が仕事が原因で死亡してしまい、その責任が会社にあると判断された場合、労災保険の補償だけで足りるでしょうか。従業員やその遺族は、労災として保険の給付がされたとしても、それとは別で会社に対して民事損害賠償請求ができます。

 労災ではカバーできない賠償責任等に関するリスクを下げる一番の方法は、そのような環境を作らないと経営者が確固たる決意で臨むことが大事ですが、もう一つ、業務災害補償保険への加入の検討もしてみるのもいいと思います。

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