魂を込めて

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 成功していく社長にはいろんなタイプの人がいますが、総じて個性的な人が多いようです。ありふれた志向や習慣の持ち主で成功した人に、わたしはまだ出会ったことがありません。

 そして、成功していく人は個性的ではありますが、しかし単なる変わり者やあまのじゃくとも違います。そこには必ず備え持っているある空気感が存在する気がしています。そんな空気感を醸し出しているもの、それはその人の信念ではないでしょうか。魂と言ってもいいかもしれません。これがなくして成功した人にもわたしは出会ったことがありません。

 ビジネスにはスキルやシステム作りはもちろん大切です。そして、そのシステムに経営者の魂を感じられるかどうかも同じぐらいに大切なことです。特に中小企業の場合は、店舗や商品に何の魂も感じられなかったら、お客様は信頼できる大きな資本で運営するお店に行ってしまいます。

 とはいえ、大企業が運営する店舗や商品には、一見すると魂を感じにくくなっているものものあります。しかしこれは世の中に認知された大企業だから出来るのです。知名度の低い中小企業に限っては、お店作りに経営者の魂を感じられないと、お客様はあなたのお店に行く理由がなくなってしまいます。

 さらに商品についても、売れるものだけを仕入れるのではなく、経営者の拘りの品揃えにすることも大切です。そうすることで、お客様はあなたのお店をライバル店と比べなくなるのです。全商品について拘りまくる必要はありません。ほんの一部だけでもいいですから、他店とは違った経営者の志向を色濃く出した品揃えにしてみてはいかがですか。きっとお客様はあなたのお店をより強く認知することになるでしょう。

 ある居酒屋さんが、顧客満足のためにとソフトドリンク飲み放題のドリンクバーを始めたと聞きました。低迷する売上をどうにかしたいと考えてのことなのでしょうが、残念ながら機械には魂がこもらないのです。ましてやドリンクバーでお客様は感動してくれません。お客様がホスピタリティを感じるのは人間の行為であることを忘れてはいけません。