運と愛嬌

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 大石会計事務所では、社員採用時に簡単な筆記テストとアンケートを行っています。筆記テストは漢字や加減乗除等の計算です。多少の難問はありますが、平均点が90点くらいですからそんなに難しい試験ではありません。

 もうひとつのアンケートも、応募者の人生観を多少伺い知ることが出来たらといった程度のものですが、その質問のひとつに、「あなたのこれまでの人生はついていましたか」というものがあり、わたしはこれを重視しています。

 誰でも、出来ることなら「運」を持っている人と仕事をしたいと考えるのではないでしょうか。わたしは自分を「運」がないと思い込んでいる人を特に避けるつもりはありませんが、願わくば運の強い人と一緒に仕事をしたいと思っています。それは、運を引っ張れる人の人生観や生き方は周りの人にも大いなるプラス効果をもたらすからです。

 多くの経営者とお会いして感じることは、優れた経営者には強運の人が多いことです。強運の経営者は前向きで素敵な人が圧倒的に多数なのです。そして、そんな経営者の下にはたくさんの人が集まります。

 ビジネスでは人が大勢集まればいいことが起こります。人を引き寄せられない経営者が上手くいくはずがありません。「俺の人生には運がない」なんていう社長の下では誰だって好き好んでは働きたくありません。

 「自分はついている」と思っている社長は勤勉であって努力を厭わない人が多いものです。なんの努力もしていない人に勝手に運がつくなんてことはありません。運は用意の出来ている人にだけやってくるようです。

 ですから、上手くいかないことを相手や市場のせいにしてはいけませんし、ましてや政治が悪いなどと戯けたことを言っていても何も始まりません。当たり前ですが、上手くいかないのは運が悪いからではないのです。

 松下幸之助翁は成功の条件を、「頭の良さでも勤勉さでもない。『運』と『愛嬌』、そしてその上での賢さ、勤勉さなどの能力だ」と言いっておられます。

 能力だけでもダメ。努力だけでもダメ。運と人間的な魅力がないと成功できないというのですから、わたし自身まだまだ改善の余地おおいにありです。